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2004年秋 PHNOMPENH情報

★クメールポップ近況

カンボジアの音楽事情は本当に目まぐるしく変わっており、2年前に訪れたときとは主流の媒体から変わっているような状況。
現在プノンペンでは(あくまでプノンペン、他地域は不明)CDとVCDが主流で、この辺はタイと変わりなし。またテープもオリンピックマーケットには多数売っていますが、その約8割は海賊盤。
正規盤もダビングしてジャケもマックかウィンドウズで処理したのが丸分かりのジャケで一目瞭然。ただ、正規盤は曲のバラエティが良くも悪くも多く、お気に入りの曲が少ないのが難点。
逆に海賊盤は、ジャンル別に編集者がDJ気分で選曲しているので、ダンサブルなものだけが好きな人やバラードなどしっとりとしたものだけが好きな人は音質さえ気にしなければ、そちらのほうがお得。

ここで2,3点クメールポップの近況を挙げてみると…

・現地の友人の話によると、現在カンボジアでは中国系カンボジア人による土地買収も大規模に行なわれているようで、詳しくは知らないが、カンボジア最大のスポーツ施設「オリンピックスタジアム」も既に中国人の手に渡っているようである。
話によると、この施設はある中国人に政府が借金の肩代わりとして預けたような状態だそうで、借金を返済できる約70年後(いつのことやら…)に無事カンボジア国民の下に返還されるらしい。
この中国人の勢いは、音楽に於いても以前から勢力を強めていた華僑系レーベル「ラスメイハンメー」が大手マーケット独占状態のよう。
また、ラスメーのやり方は非常にうまく、その時々のタイのヒット曲をクメール語で人気のある歌手に歌わせ、その間は本場タイのヒット曲は売らないということをしているもよう。では、なぜそういったことが行なわれているか?
もし、その曲がタイの曲と分かればカンボジアの人たちは買わないからである。
これはクメール人がタイ人に拒絶反応を示すという民衆性を克明に表わしており非常に興味深い。
因みに今カンボジアで爆発的ヒットしている曲はバード&セークの「オム プラ マー プード」で歌う歌手はプリアップソワットノップパンヤリットチャンサマーイ4STARSと様々な人が歌う。
これは推測であるが、1曲ヒットするとそれを次々と歌手が歌い継ぎ、流行が収まるまでレーベルが稼ぐ。そして次に歌詞を変え、さらに売り出すといった形で最後の一滴まで搾り出すのかもしれない。

・クメールポップを現代に復活させた「シャランデン(チュランドーンともいう)」レーベルは現在センスィサーモットなど昔の音源とブラックホワイト(当HPクメールポップ頁参照)で細々と営業しており、完璧に主流から逸れた状態に居る。
ただし、この子会社である「KHプロモーション」はラスメイハンメーと提携しており、そちらではラスメイ所属アーティストの作品も手がけて頑張っているようだ。

・大手スーパーなどには中国・香港・台湾の音源がクメールポップより圧倒的に多くなり、ここでは洋楽より、そういった中華系民族による文化的植民地化を計ろうとしている。
しかし、それはあくまで華僑の目論見で終わっており、地元に根付いているオリンピックマーケットなどでは圧倒的にクメールポップが占めているという状態。

・今回初めてカンボジアの夜の街へ繰り出し、歌手の登場するカラオケバーへ行く事ができた。そこで色々話を聞くことができたので少し紹介しよう。
まず、写真(1)を観ていただきたい。彼女達は全て歌手である。別に怪しい事をする人たちではなく金魚鉢の人たちでもない。
丁度、ひとつのショーのときで、ノンストップの曲を大勢居るこの歌手たちがマイクを回して歌っていくというものである。
彼女達はいわゆるカラオケシンガーだが、歌の合間にチップを弾んでくれた客の下へ行き歌い、そしてその後、尺をする…いや酌をする。
ここまでが彼女達の役割であって、現在売れている歌手の殆どがこういった形で営業し、そして売れていくようだ。話によると、自分を売る為にレーベルの社長と寝るケースもここでは未だに多いようである。
因みにこのバーで歌っている歌手の曲にクメールポップのオリジナルと思われるような曲はなく、全てタイや洋楽の曲をクメール語に置き換えられて歌っている。

・そして直接音楽とは関係ないが、今プノンペン市内ではホラーブームが密かにある。
そのひとつが写真3。この主役のゾンビはクメールポップのアイドル、ユータラターが演じている。現在彼女は甘く切ないバラードを歌い、メンカオピッチェンダーに迫る勢いで人気急上昇の人である。
日本で言えば"何ちゃらあゆみ"と同じくらいの人気のある人が、頭ボサボサで眉をファンデーションで隠し、鼻や口から血を流しているのである。話の内容については聞くことができなかったが怖そうである。
また、現在カンボジアで公開中のもうひとつのホラー映画は、何と!タイ映画「ナンナーク」のパクリ映画である。
ただ後半部分についてはタイ映画のように泣けるシーンはなく、自分の嫁がゾンビだと知った瞬間、夫は逃げまくるというようだ。
カンボジアとタイ…切り離したくても切れない腐れ縁のような関係である。

(1)プノンペンのカラオケバーにて

(2)クメールポップの歌手(カラオケシンガー)たち。
左はボットムという女性歌手。右は通訳の好みじゃないので名を聞くことができなかった。

バックメンバーとなる人たちはたった2人。
ギタリストは私がカメラを構えると、
だれきっていた顔がこのようにいきなり引き締まったのが笑えた。
 
(3)クメールポップの美人アイドルがホラー出演
お分かりとは思うが、右が本当の顔。日本では考えられない。

★プノンペン市内の見所

今、この街での見所といえば、新しくできたラッキースーパーマーケットの入っているデパート。
最近の「歩き方」にも紹介されているのだろうか?この国で初めてエスカレーターが付いたところである。
皆エスカレーターをビビリながら乗っているのかと思いきや、ビビっているのは小さい子供だけで、あとは皆普通に乗っている。
ここの4Fくらい(最上階のひとつ下)には、フードコートがあり、お粥からクメール料理、フィリピン料理、中華、そしてデザートと色々ある。場内も広く、店員も優しいうえに結構おいしい。
今回1歳4ヶ月の娘を連れて行ったが、ここならお粥があるし、持参のレトルトおかずをテーブルに出していても何も言われない。
客の殆ども子供好きらしく、少々悪さをしても笑って許してくれるが、全ての人ではないので親が常に子供を監視して無茶な事は控えていただきたい。

フードコートの下の階には華僑系CD屋がある。ここでは万引き防止のため、常に店員が前方、後方、側方に1名ずつ幽霊のように憑いてくれているので、仮にピストルで狙われたとしても、店員が盾になってくれる。
買うものが無かった場合は、財布をまさぐりながら「金を忘れた」と言って立ち去ろう!

さらに下の階には、悪名高かったマクドのパクリ「BB World(マクドのロゴを逆さにしたアレ)」が入っている。
今回は味も確めたが、意外にマクドより美味い。肉厚もなかなかで、ポテトも注文後に揚げてくれる。ただ、通常の飯がカンボジアでは1$弱なのに比べ、こちらはハンバーガーひとつで約1$、そのためか客足は日曜の昼時でも本店同様殆ど無し。私はお子様セットを頼んだが、このときにおまけで付いていたのがBB特製水筒。丁寧に化粧箱の中に入れてくれたが、この化粧箱の絵が笑わせてくれる。犬だか熊だか分からない動物や、猫か豚か分からない気持ち悪いキャラクターが印刷されており、我が子もこれらが何か判断つかなかったようである。

それから、是非行って頂きたい場所をひとつ。
それはモニボン通りとシハヌーク通りの交差点から少し南にずれた「林順餐館(Lim Srun)」という中国人の経営する中華料理店。
お粥のおいしい店として「歩き方」にも紹介されている店だ。
もしあなたが日本人で、しかも色黒のクメール人の友人を引き連れてくれば、尚更歓迎してくれるだろう。
店に入ると普通はメニューを持ってきてくれるはずだが、一向に来ない。英語で「メニュー下さい」と言っても通じないフリ。
命令形でいうと、ダルそうにメニューをほうり投げる。そして私達が料理を選んでいる間、店員はメンチを切り続ける(ガンを飛ばす)という歓迎振りである。
このままでは頼んだところでまともな料理など出てこないと思い、NHK教育で習った北京語で注文。
すると、さっきまで愛想の悪かった店員、そして店主までもが笑顔で「あら、青菜炒めはひとつでいいんですかい?こっちにはこんなおいしい麺料理もありますぜ」と手のひらを返したように豹変。聞き取れはしたものの、返す言葉が出て来ず、黙っていると「なんだ、やっぱり日本人じゃないか!ふん!」とまた元の通り。
無事注文どおりの品が来るが、胃の中はすでに煮えくり返り、食べるどころではない。
しかも皆が食べている間、終始メンチを切りながら小声で「早よ帰らんかいなぁ」とつぶやく始末。
そう、彼らの180度豹変する姿は、あなたのカルシウムを確実に奪ってくれる。
お礼に麺のゆで汁を店中にぶっかけてやろうかと思うでしょうが、明日のある人たちはグッとこらえるように。
あまりの怒りに 写真を撮るどころではなかったので残念ながら写真はなし。



フードコート内のジュース屋。アジアらしく綺麗な原色ジュースが並んでいる。

我が子の歩く様子を撮影しただけ。しかし、
この後、手前の店員が「撮るな!」と一喝。
後で知ったが、この館内は撮影禁止だった

こちらが玄関。
以前のものと比べるとマクド色が薄まった。
最後にトンレサップ川沿いを少し南に歩き、シハヌーク通りと交わるあたりに小さな遊園地がある。近年日本の遊園地はテーマパークと名を変えお洒落になりつつあるが、ここはカンボジア。昔の遊園地のいい雰囲気を残してくれている。ベタベタのクメールポップにケバケバしい電飾、そして回転系を中心とした乗り物。
とにかくここは、何でも回転する。ブランコ、メリーゴーランド、観覧車、そのどれもが高速である。一応どれくらいの回転率か計測してみるとメリーゴーランドやブランコは1分間に20回程度。観覧車は3回転する。どれくらいの速度かは想像付くだろう。
またこの遊園地は足となるバイクが乗り入れOKなのでレンタルバイクの方は自分の乗りたい乗り物までテクテク歩く必要が無いというのも嬉しい。
ただ、時折バイクの煙のお陰で咳き込む事もあるが、そんなこと気にしない。
ここにはジェットコースターなど絶叫マシンは全くないが、いつ自分がバイクに跳ねられるかや、いつ乗り物が自分のところに飛んでくるかなど歩くだけでそういったものとは一味違った恐怖が味わえる。
そうそう、ここは入場無料で乗り物ひとつあたり1000〜2000リエル(約50セント)と格安。
シェムリアップしか行ったことが無い方は是非とも行って頂き、プノンペンの面白さを知って頂きたい。


このGのかかり具合を見よ!

場内にはバイクが我が物顔で疾走する。

何故かガオレンジャーが…

この写真はちょっと大袈裟かも…

本館へ行く